エアーメールこない。こちらから住所教えたにもかかわらず……
 さて、中1のとき、1学期くらいはかけてだったか、星新一の宇宙人物の短篇を読み込んだ、メガネをときたま掛ける女性教諭でありました。かわってたな。あの中学、小学校も、まあ定時制高校もそうなるのだけれど、あ、通信制もね。
「校長に見つかるといけないから」って自分に言い聞かせるようにうつむいてさ、教室のカーテン締め切って真っ暗にして、ぼくらに観せたのが、なんと『インディージョーンズ』2作目だったり『スーパーマン』の何作目かだったり、たしか太陽かなにかとてつもなくデカイ!ってかんじのもの宇宙空間で持ち上げてさ、投げつけたり、群がる坊主頭がじゃまっけでなにがなにやらわーわーいっとりました。
 あと急に教壇の上に正座しはじめて落語はじめっちゃったり、歴代天皇の名前を暗誦しはじめて、ときたま板書を交えつつ「学生のころ、ヒマだったからさ、つい」って、あんたなんの思想もなしによくそんなことできんね!って突っ込みたくなるどころか、いったい「学生」という生き物はなんなんであろうか、と、まだ生徒だったぼくはおもったものでした。
 さらに『デモンズ2』を観せる先生も! だったらファーストからもってこいよって突っ込みたくもなりますが、ぼくがもっとも苦手とした教科であったので…… 急に目の前の教務机を蹴り上げる先生もいたし、おれを殴れ!って生徒一人ひとりに平手打ちをさせる(強制的に)ひとも…… 下駄箱で遊んでいただけでぴしゃーんってそこにいた全員平手打ちされたこともあって、ぼくに「Mははじめてたたいたな」ってすっとした顔でいったかたも。ぼくは個人的にはその先生にもっとも親近感を抱いていたのですが、まあ、記憶はさだかじゃございやせん。
 あーあ。馬鹿馬鹿しいなあ。
 もちろん不登校の原因はそういった夢心地な学校生活のせいではなかったのですが。
 もちろん不登校児(体験者からいわしてもらえば、こちらの言葉は大変こころが傷つくので御遠慮を)時代にミスター・エドワード・サコヤンと会うことになるのですが…… どうやらフランスのかの人は「メルキド」も買わず(その当時は創刊号のみの発売)飛び立たれたご様子。けっ「鳩よ!」落選したくせに!ってその原稿、渋谷の映画館のまえでみせてくれましたよね。すごく隙間アキアキのフォントでさ。なんだったんだろう。もう小説は書かず、映画で、ベルリン国際映画祭の学生参加企画みたいなのに去年行ってきたらしいけど…… そういえばM君ドーバー海峡渡ってルーヴル美術館にも行ってきたっていってたっけ。あーあ、なんど2人は違う世界の人間だと自分にいいきかせていたことか。ぼくは原付の免許しかもっていないのにもかかわらず、にだ。